• 東京・新宿・奥神楽坂にあるお琴教室・三味線教室

さて、今日は爪のお手入れでもしてみましょう。

ネイル〜じゃなくて、お琴の爪のお話です。

ネイル〜の方も、キューティクルが剥がれて酷いけど、

ここはちょっと、お琴のお道具のご紹介。

さて、取り出しましたのは、お茶箱。

自作のお気に入りです。ここには琴爪のお道具をしまって置く事にしましたよ。

中はこんな感じ。

爪の輪、爪、接着用のボンドに爪やすり、などなど、お琴の爪を作るのに必要なお道具です。

さて、私が今使っている琴爪、そろそろ輪っかがグラグラしてきたかな〜?

と感じ始めてからが、結構長く持ったりするのですが、

流石にもう限界、軽く引っ張ったら輪が外れちゃったし、輪を繋ぐ糸も見えちゃってます。

本来、モザイクが必要な程汚い画像です。スミマセン。

でも、そこはリアルな所をお届けします。

今、手元にある箏爪たちです。

右上の琴爪は、一番のお気に入りで、良く使っていたもの。象牙で出来ているのですが、黄色く色が変わってしまっていますね。↓

新品の爪と比べても、随分使い込んで居るのが分かります。↑

向こう指(人差し指と中指)にはめる爪は、琴糸をズーズーと擦るので、根元が削れてくびれているのも見て分かります。

爪にも色々性質があって、やはり象牙のキメが細かくて上等なものは、強度が有るせいか、薄く作られていて繊細で良い音がするような気がします。

大きくて厚みのある爪は、やはり大きな音が出ますし、演奏する場所や曲によって変えてみる楽しさも有ります。

①そしてこちらは17絃箏のお爪。ググっと指の少し奥まではめ込みますので、爪の輪も少し大きめです。

②爪そのものも厚みがあって、13絃箏の爪に比べたら少し大きいですね。

③17絃箏には、赤鉛筆で糸に印を付けたりするので、爪がだいぶ赤く染まってしまいました。

こちら、私の先生とお琴屋さんに行って、綺麗なお爪を選んで一緒に買った、先生とお揃いの大事なもの。

さてそれでは、壊れてしまった琴爪を、綺麗に蘇らせてあげましょう!

①まずは古い爪の輪を綺麗に剥がす為に、ぬるま湯に浸します。

②10分ほど浸したら、綺麗にボンドが剥がれましたよ。

③新品の爪と比べると、こちらのお爪もかなり年季が入っているのが分かりますね。

④指に合った大きさの爪の輪を選びます。

⑤琴爪の厚みを考慮して、この段階では、かなり奥までしっかり入る大きさにします。

⑥爪の輪は、内側に巻かれている紙が幾重にも重なっているので、そこを割ります。

⑦琴爪が入るスペースが出来ました

⑧そのスペースに木工用ボンドを、少し多めに入れます。

⑨爪を奥までグッと差し込んで。

⑩密着させると、余ったボンドが出て来ます。

⑪余分なボンドをウェットティッシュで拭き取ります。

⑫指の腹が当たる部分を平らに整えます。

⑬試着してみます。この時、自分の爪とお肉の境目あたりに、爪の輪のつなぎ目が当たったりすると、弾く時にとても痛いので、上手に調整します。

⑭親指、人差し指、中指と、同じように作ります。

15、⑯3本の指にはめて、感触を確かめます。

⑰良い感触でしたら、クリップで留めて、ボンドが乾くまで待ちます。

⑱その他の琴爪達はクリップに挟んで保管。

⑲琴爪は、実は指を舐めて装着するのですが、この時節、指を舐める事には抵抗がありますので、爪の輪に、爪クリームというコラーゲンを含んだノリをぬってから、水を含ませた綿に指を差し入れ、湿らせてから爪を装着しています。

これでしっかり力を入れて箏を弾くことが出来ます。

舞台など、爪が外れてしまってはいけない場合、爪を固定させる為に、卵白を使用します。

しっかりくっついて、外す時には不思議とポロリと外れるんですよ。

すご〜く長い記事になってしまいましたが、お琴の爪事情のレポートでした♪