11月に入り、秋も一層深まった頃、私の仏画の先生の作品がある美術館、観蔵院曼荼羅美術館で、生徒さん達の作品展が開催されました。
例年は5日に渡って開催される作品展ですが、今年はコロナの影響で3日間に短縮された開催です。
この日は午後2時から、観蔵院の本堂にて大般若経転読会が行われる予定でしたので、それに間に合うように、お教室の先輩方の作品が額装された姿を楽しみに、秋晴れの一日、練馬の観蔵院へ出かけました。
到着してまずは本堂へ。実は転読会とは何なのかわかっておりませんでした…。お経が書かれたプリントを1枚頂き、理解したかったのですが、分からず…。
転読会とは、インターネットで調べると、要するに「お経を皆んなで分担して速読する」と言ったイメージ。
こんな感じでした↓↓↓
40分ほどの法要の後、お守りを頂いて退出しました。
願い事が叶いますように。ありがたく頂戴します。
そして作品展を拝見したのですが、額装された皆さんの仏画の素敵なこと✨一筆一筆、丁寧に書き進められた工程を存じ上げておりますから、一層感慨深かったです。
写真撮影出来なかったのは残念でしたが、日本画の色彩の美しさ、これは自分が始めてみてから改めて知った事です。
水彩とも油絵とも違う、なんとも言えない風合い。私は上村松園の絵が好きで、広尾の山種美術館へもよく行ったものでしたが、まさか自分が日本画を始める事になるなんて、数年前には思いもよらなかった事です。
絵の具を作る為に、絵の具の接着剤の役割をする膠(にかわ)をコンロで溶かし、絵の具を砕き、ちょうどいい加減に溶いたり、墨をすったり、白い絵の具の役割をする胡粉という貝殻を砕いたものを、更に細かく乳鉢で擦ったり、とにかく描き始めるまでの準備の時間も相当かかるのです。
先輩のお姉様は、「午前中に絵の具の準備をしてね、午後にようやく描き始めるのよ」とおっしゃっていました。
そしてこの絵の具、膠(にかわ)という動物の骨から出来たものを使っているので、日持ちしないのです。2日も常温で置いておいたら、すぐに腐ってしまいます。
全部の絵の具を同じ色に調合する事も、これまた大変。描き始めたら一気に進めてしまわなくてはなりません。
忙しい生活の中で、何とかやりくりして作り出す時間。気がついたら朝を迎えてしまっていた事もありますでしょう。
細かく繊細なタッチで、1ミリに満たない線一本が、仏様の表情を変えてしまうのです。とても集中力が必要になります。
そんな事を思いながら、皆様の美しい仏様を拝見して、先生にご挨拶を申し上げて観蔵院を退出しようとすると、
これまた私の大好きな婦人画報がそこに…。「女の「仏教」ことはじめ」とな??
何やら観蔵院さんが掲載されているようでしたので、家に帰ってからバックナンバーを調べてみようと思い、写真をパシャリ。
婦人画報 10月号 (2012-09-01) [雑誌] Kindle版
↑↑↑こちらから、Webで拝見出来ました。
私たち日本人の生活に溶け込んだ仏教の思想。
改めて仏の心を覗いてみたくなる1日でした。