• 東京・新宿・奥神楽坂にあるお琴教室・三味線教室

遅れ馳せながら、新年明けましておめでとうございます。今年のお正月も、何処へ行く訳でもなく、日帰りゴルフを楽しんだ年始休暇でした。健康で平和な国に生まれた事のありがたさを思うお正月でした。

今日は快晴ながら強風の中、琵琶奏者の森葉子ちゃんとお会いする予定で、池袋西武デパートの屋上庭園で待ち合わせです。昨年11月の観蔵院様での演奏会以来の再会です。忙しい合間を縫って、こうして会いに来て下さる葉子ちゃんに感謝です。

何故この寒空の下、屋上庭園なのかと言いますと、「大原御幸」のムービーを作っていた頃、モネの庭を模して作られた池が西武デパートの屋上にあると言う情報を得て、行ってみたいな。と、思っていた事に端を発したのでした。

結果、フードカートで買ったラーメンも、コーヒーも直ぐに冷めると言う、まあ落ち着かないランチ会ではありましたが、コロナの第8波が猛威を振るう中である事を思えば、感染リスクはホボ皆無であったかと思われます…。良いのか悪いのか。今度はちょっと落ち着いて会話を楽しみたいものですね。ごめんね、葉子ちゃん。寒い思いさせてしまって。

私は演奏会の時のフォトブックを持参し、葉子ちゃんからは山種美術館のカレンダーを頂きました。日本画のカレンダーはお稽古場のカレンダーとして、毎年便利に使わせて頂いています♪今年は兎ちゃんの表紙。

そして、11月の思い出など話したり、今年4月に向けての、お互いの演奏会出演の予定などを話したり、名残惜しくも葉子ちゃんは琵琶のお稽古へ、私は年始の和の香りを楽しみに、池袋を後にしました。

そして、今日の和の香りは「白檀・沈香・伽羅を聞く」「源氏香を楽しむ」の会でした。本物の伽羅の香りを聞くのは初めての経験で、とても楽しみにしていたのです。それと言うのも…

宮尾ファンの私にとって、この物語に出てくる本物の香りがどんな物なのか!!どれほど楽しみにしていたか、ご想像頂きたいと思います。

伽羅を聞く前に、白檀・沈香もたっぷり聞かせて頂きました。白檀だけで何種類あったかしら?本物の老山白檀の華やかな香りの良さは、何とも言えません。

白檀は木の中心部が一番良い香りなんだそうですよ。

本当の香道では歌を詠んだり、お作法が色々あるそうですが、今回は楽しむだけの遊びの会を先生が設けて下さいましたので、灰に筋が3本。

「檀」が付く木と言うのは、「有益な木」とされるそうです。白檀(サンダルウッド)・緑檀(パロサント)・紫檀(ローズウッド)・黒檀などが例えられます。

今日は緑檀で出来た数珠を拝見致しました。緑壇(パロサント)は、ブラジルやペルーが原産国で、ホワイトセージと同様に浄化に使われるそうなんですよ。写真のお数珠はイスラムの数珠なんだそうです。樹液による艶と、爽やかなミント系の香りが特徴です。

邦楽で言うと、紫檀は三味線の竿に使われますね。黒檀は三味線の糸巻きに使われ、象牙の糸巻きよりずっと止まり(弛まない)が良いです。私の三味線は紅木ですけれど、「壇」の付く名前に変換されるのかしら?

次は沈香。沈香だけで9種類も聞かせて頂きました。マレーシア産の「M2」とか、インドネシア産の「No.1」とか、何だか「シャネルNo.5」が頭をよぎりましたよ。

その他、極上タニ笹・辛味沈香・黒タニ・上ツメシャム・光印・金印・上シャム

もうこの数の沈香を聞かせて頂いた頃には、アロマ効果と言うのでしょうか、少々「のぼせ」に近いような、ホカホカとした体感と、自律神経が整うと言うのか、ほわ〜っと緩む感覚。池袋西武屋上での冷え冷え事件からのギャップの凄さ(笑)

私はアロママッサージを受けると、いつも鼻が詰まるのですが、同じような体感がありました。浄化される時は、そんな現象が起きるそうですよ。写真は沈香の原木。

良く見ると、木に傷が沢山あります。この傷がら樹脂が染み出て、香りとなるそうです。左側の原木は、樹脂の重みでズッシリとしておりました。沈香は常温では香りません。温度で香りを発するそうです。

そして最後に伽羅の香り。伽羅は、香道で言う香りの五味、甘・酸・苦・鹹(塩気)・辛の全てを感じる事が出来ると言われています。本物を聞かせて頂いて、ありがたい経験となりました。私は、なんというか、高貴と言うのか、ありがたい薬のように香った気もしました。表現難しいですね。

続きましては、「源氏香」の遊びです。

上の写真の香木が細かく砕かれたものを包んだ小さな包み25個の中から、5つの包みを選んで、その香りを聞きます。

①の香りと、③の香りが同じだった場合。

上の写真の赤マル印の記号を、下の源氏香の表の中から探し出します。

それが、これ↓

「花の宴」という源氏香図が正解です!

…と、言う遊びです。まあ、なんと言う雅な遊びでしょうか。

今回の源氏香遊びで、クラスメイト6名中、1名の方が正解したんですよ。今回の正解は「葵」でした。

さて、「葵」って、源氏物語の中の、どんなお話しだったかな?

【第九帖 葵(あおい)】朱雀亭即位。六条御息所と葵の上との車争い。葵の上の出産と急逝。若紫との結婚。

…なるほど。ちなみに、こんな感じです。↓

私は「篝火」だと思ったのです。ちょっと惜しくもハズレでした。

【第二十七帖 篝火(かがりび)】篝火とともにあかあかと燃える源氏の玉鬘への想い。夕霧、柏木、弁の少将の合奏。

こんな感じです。↓

↑玉鬘がお琴を枕にして寝ています!!

絵画を検索していたら、何だか面白くなってきてしまって、「琵琶の絵」ってあるかな?と思って探したら、ありました。「橋姫」

【第四十五帖 橋姫(はしひめ)】薫、出生の秘密を知り激しく動揺する。源氏の弟・宇治八の宮と娘・大君、中の君の登場 ↓

出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://cultural.jp/item/cobas-5816)

中の君は、確か「琴の箏(きんのそう)」の名手でしたね。和琴ではなく、現代の13絃とほぼ同じ形の「琴の箏」

今年もゆるゆると、琵琶と琴の遊びが出来たらいいな〜。と、雅やかな気持ちになった、良い一日でした。

今年もどうぞよろしくお願い致します。