• 東京・新宿・奥神楽坂にあるお琴教室・三味線教室

ゴールデンウィーク最終日、強まる雨の中、我が家から徒歩5分の「矢来能楽堂」へお能の鑑賞へ。

お能と言っても、仕舞や狂言もある、何時間もかけて鑑賞するお能とはちょっと違って、「はじめての矢来能楽堂」能「土蜘蛛」をみる!という特別企画の鑑賞会です。

事前にタブレットで漫画のあらすじを見たり、能楽師による解説があったり、一緒に能の謡いを謡ってみたり、講演終了後にはフォトセッションタイムまである、全部で1時間30分のあっという間の「体験版」なんです。なるほど、初めて能を観る人にとっては、とても親切な企画です。

ちょこっと神楽坂で能を鑑賞なんて、面白いではありませんか。

パンフレットにもあらすじと漫画、謡いのテキストがカラーで印刷されていて、歌詞(詞章)まで書かれています。

能楽堂今昔マップも江戸時代と現在が入り混じった地図が楽しい。

矢来能楽堂は東京新宿区矢来町にあり、2011年には国の登録有形文化財にも登録された、東京都内にある能楽堂の中では2番目に古いものなのだそうです。東西線・神楽坂駅からも、とても近いんです。

座席の後ろには、お能の演目とそれにちなんだ謡のプレートが貼り付けてありました。こんな工夫もなかなか嬉しい。

私のシートからは、「高砂」の歌詞が書かれていました。地歌箏曲の「新高砂」の歌詞と同じですね。

さて、笛と鼓の音が響き渡り、「土蜘蛛」が始まりました。

簡単なあらすじは、源頼光が謎の病気で苦しんでいる所へ、怪しげな僧侶が訪ねてくる。

その僧侶が妖怪土蜘蛛になって、頼光に蜘蛛の糸を吐きかける。

頼光は枕元に置いてあった刀で土蜘蛛を斬りつける。

妖怪土蜘蛛が逃げ帰った後には血が点々と落ちている。

家来の武者は、この血を手がかりに棲家を探し出して退治に行く。

土蜘蛛が隠れ住む塚を探し出し、妖怪土蜘蛛を見事に退治する。

そんなストーリーです。

笛の音、鼓の響き、謡いの迫力に、能衣装の煌びやかさと姿の美しさ、蜘蛛の糸の演出も華やかで面白かったですし、古典芸能ならではの見どころがギュッとつまった、素晴らしい体験でした。

小中学生には、この蜘蛛の糸がお土産で頂けるというのも、素敵なサービス。

蜘蛛の糸のお掃除も頑張りましょうか…。

そう言えば今朝、小さな家蜘蛛が、糸を吐きながら急いで移動してゆく姿を久しぶりに見た事を思い出しました。能楽師さんが朝昼に見る蜘蛛は、会いたい人に会える吉兆だとか、言っていたな〜。

連休最終日、近くでお能の鑑賞が出来る神楽坂。雨が降っていなければ、そのままお散歩して、軽く夕ご飯でも食べたりしながら、初夏の1日を楽しんだ事でしょう。

5月20日(土)・21日(日)には神楽坂まち舞台、大江戸めぐり2023が開催される予定です。今年も楽しみだな♪
https://kaguramachi.jp